情報通信研究機構(NICT)TOPEnglish

reports

『脳のセキュリティ』初講演!The 10th CiNet Conference

開催日:2024年12月10日(火)、11日(水)
場所:脳情報通信融合研究センター 1F 大会議室 およびオンライン
主催:情報通信研究機構 (NICT)、 脳情報通信融合研究センター (CiNet)
共催:大阪大学 社会技術共創研究センター (ELSIセンター)
「世界に通用する会議をNICT・CiNetで創り上げる」を合言葉に、CiNet(未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター)が2014年から9回にわたって開催を続けてきたCiNet Conference。2024年12月10日、11日の2日間にかけて10回目となるConferenceが開催されました。

脳のセキュリティ初講演

攻殻機動隊からはじめる脳のセキュリティと認知戦

The 10th CiNet Conference 2日目に、サイバーセキュリティ研究所 研究所長 井上大介と専門研究技術員 鈴木悠が登壇しました。講演のタイトルは『攻殻機動隊からはじめる脳のセキュリティと認知戦』。当研究所では2024年からCiNetと共同で“脳のセキュリティ”についての研究を既に始めており、この講演がその情報の初公開の場となりました。

講演の前半は井上が登壇。WarpDriveプロジェクトでコラボレーションしている『攻殻機動隊 SAC_2045』を紹介しつつ、その作品の中で描かれる“脳に対する様々な脅威の事例”を挙げ、「作品はSFの世界だが、現実は徐々にその世界に近づいてきている」「脳へのインプットとアウトプットのコントロールが高精度にできるようになってきている。 それは逆に言うと脳へのサイバー攻撃が可能になってきていると言える」と述べ、今から30年後の未来のために脳のセキュリティを研究していく重要性を説きました。

また脳に対する攻撃には、侵襲・非侵襲、情報としてダイレクトに脳に入力するものなのか間接的に知覚や聴覚を攻撃するものなのか、攻撃の効果がリアルタイムに出るのかロングタームで出るのか、など様々な軸があることを説明。 講演の後半では、その中で非侵襲で間接入力、そしてロングタームの脅威である“認知戦”について、鈴木が講演を行いました。

認知戦について

ディスインフォーメーションの脅威に立ち向かう

鈴木はサイバー空間を介した認知戦について、その定義や背景を説明したのち、人の信念・認知・行動に影響を与えることを目的とするディスインフォーメーションの脅威を海外の事例を交えながら紹介。 「脳情報をやりとりする各種デバイスなどの脆弱性や設定の不備などを狙った従来のサイバー攻撃、それに加えて認知や人体へ影響を及ぼすための攻撃、すなわち攻殻機動隊のような世界が技術の発展と共に起こりうると考えている」と述べ、「その脅威を洗い出し整理をして、対策を提示することを目指していきたい」と今後の展望を述べました。​

講演のアブストラクトについてはこちらからご覧いただけます。

back to page top